2021/03/18

古英国料理「ミノウ・タンジ―」を復元する

■1653年…

英国で出版された、(淡水魚)釣りの名著、
アイザック・ウォルトン著「釣魚大全」
〔 Izaak Walton”The compleat angler”〕

Faceofthecompleteangler

https://fiftywordsforsnow.com/ebooks/angler/

の、第18章に、

原文をしめすと

And in the spring they make of them excellent Minnow-Tansies; for being washed well in salt
, and their heads and tails cut off, and their guts taken out, and not washed after,---they prove excellent for that use; that is, being fried with yolks of eggs, the flowers of cowslips, and of primroses, and a little tansie; thus used they make a dainty dish of meat.

と、"monnow-tansies"なる料理が登場します。

■このように…

非常に短い文なのですが、というより、非常に短い文だけに、これが一筋縄では行かないのです。

とりあえずの、google 君の翻訳では

春に彼らはそれらを優れたミノータンジーにします。 塩でよく洗い、頭と尻尾を切り落とし、内臓を取り出して洗わなかったため、その用途に優れていることがわかりました。つまり、卵黄、カウスリップの花、サクラソウの花、そして少しタンジーで揚げられています。 このように使用されて、彼らは肉の可憐な料理を作ります。

と、結構突っ込みどころの多そうな訳文で、いわば「定訳」といえるものは後程ご紹介するとして、まずは順番に文章を追って、課題を抽出してゆくことにします。

1 "Minnow"とは…

 和名で ヒメハヤ - Wikipedia

 コイ科の魚ですが、同じハヤの仲間が体長数10センチになるのに対し、このミノウは、体長5~6センチなので「ヒメ」が付いているのでしょう。

Wild Minnows Fish in Aquarium - YouTube

 ウォルトンの本国のブリテン島を含みユーラシア大陸全般に分布すると言われているものの、残念ながら東限が韓国の由。

 日本で、似たような魚を探すと、琵琶湖が原産とされる、これもコイ科の

 ホンモロコ - Wikipedia

 のような魚と考えてよさそうなのですが、これも今や高級魚。

  もろこ照煮 / しじみ時雨煮 | 元祖阪本屋 (sakamotoya.biz)  参照

 手軽に代替品を手に入れるとすると、サケ・マスの遠縁らしい、アユなども含むキュウリウオ科ではありますが

  ワカサギ - Wikipedia

 あたりかと思います。

 実は、ミノウは、この大全の中に頻繁に登場するものの、それは、人の食用としてではなく、魚の食用、つまり、とくにサケ・マス系の魚の釣餌としてとりあげられているのがほとんど。

【参照】 How To Hook A Minnow 7 Ways - Seven Best Ways To Hook A Minnow Dead Or Alive - YouTube

 その有効性は、メップスという会社が、回転翼の後ろに樹脂製のミノウを取り付けた、
 名作!メップスミノーの今!! | キャット&テイルχ! (ameblo.jp)

というルアーを、かれこれ50年、製造し続けていることからもわかります。

2 "Tans〔y|ies〕“とは…

 名前の中にあるとおり、この料理の肝心のハーブのようなのですが、現在は微毒性があることが明らかになっているので、食用にはできません。
 したがって、後述の他のハーブ同様に代替品を探す必要があるので、後にそれらとまとめて検討することにします。

3 "washed … in salt"とは…

この部分、いわば定訳といてってもよいかもしれない、森 秀人・訳「完訳 釣魚大全」角川選書/1974・刊(以下「定訳」と呼びます)では

 「この魚を塩水でよく洗って」

と訳されています。

「塩水で洗う」というのは、魚の一般的な調理法というか洗浄法なので、従来はさして違和感を持たなかったのですが、

・原文を見ると「水」には言及していない
・塩でこすってヌメリや臭いを落とすのも魚の調理/洗浄法の一つである

ので、これは、「塩で洗浄する」のか「塩水で洗浄するのか」きちんと解釈する必要がありそうに思えました。

 そのため、冒頭の原著へのリンク先の pdf では、文字列検索ができるので、”salt” and"watar”で検索をかけると、

・大半が”salt water”で、サケ・マス系の魚が海水域に移動するとの趣旨のものでしたが…

・9章のコイの調理法の解説の中に

  "Take a carp, … scour him, and rub him clean with water and salt, but scale him not;"

 という一節があって、水と塩を併用して魚を洗う場合は、そのことを明記していることがわかります。

 したがって、このミノウ・タンジーの場合は「塩でこすって」調理/洗浄することを意味しているらしいのです。

 もっとも、一切、水を使わないのかというと、そうともいえず

・その直後の文節 ”and their heads and tails cut off, and their guts taken out, and not washed after ”を、
 おそらく、文脈からみて正確と思われる「定訳」では「頭と尻尾を切り捨てます。内臓を除いたらもう洗ってはいけません。」としているので、「内臓を取り出した後は」「水で洗ってはいけない」のであって、その前は「水で洗ってもよい」ことになります。

・しかし、その後の、調理の中で調味料として塩が挙げられていないことから、ミノウは淡水魚でもあり、全くの塩抜き料理とも考えにくいのです。

 結局、魚の体表についた塩を「ざっと」洗い流す程度には水で洗うと、解釈するのが(想定される味の面でも)一番正しいのではないかと思われます。 

4 "being fried with yolks of eggs"とは…

 後段の”yolks of egg”は、卵の黄身(複数形)ですが、なぜか白身と訳している人もいるので、要注意です。

 それはともかく、前段の ”fried” (現在形で fry)の解釈が難しい、というのは、日本語に落とそうとすると、訳が複数あるためです。

 日本語化した英語にストレートに変換すれば、「アジフライ」のように、「たっぷりの油で揚げる」ことになります。

 しかし、"fried egg"は、日本語では「目玉焼き」なのですから、「油を使って焼く」という意味もあることも間違いないのです。

 (当然、ドイツ風の「シュニッツエル」のような、「ひたひたの油で揚げ焼きする」のも fry の範疇に入ることになります。)

 実際に、英語圏の人達の間でも、この部分の解釈は分かれていて

 ・http://www.theoldfoodie.com/2006/02/flowery-fishy-and-fried.html

によれば、

Secondly, you can use today’s primroses and cowslips in this recipe for your next catch of minnows, from Isaak Walton’s Compleat Angler” published in 1653. A “tansy” was a sort of eggy quiche-like pudding which took its name from the herb from which it was originally made (which is poisonous in quantity!).

とされていて、いわば「卵とじ」。スパニッシュ・オムレツ、あるいは、油は使わないものの、ドジョウの柳川みたいな料理ということになります。

 一方、

 ・https://app.ckbk.com/recipe/good55004c03s001ss003r024/minnow-tansies
  
  によると、

Fry them in a little fat as you would any other fritter.

とあり、こちらによれば、「衣揚げ」。原文にあるようなフリッターや天ぷらのような料理ということになります。

 これらのうち、どちらが正しいのかは、非英語圏の当方には、なかなか判定しにくいのですが、後者のように解釈しているものが多いように思えます。

5 the flowers of cowslips, and (the flowers) of primroses", and a little tansieについて

 ・cowslips

キバナノクリンザクラ - Wikipedia

cowslipの画像 at Wiki(Jp)

なお、

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a6/Illustration_Primula_veris0_clean.jpg/800px-Illustration_Primula_veris0_clean.jpg

「天国の鍵」と呼ばれた春の花『カウスリップ』 | 鈴木ハーブ研究所 (s-herb.com)

によれば、日本でも、原種ないしそれに近いものが、栽培用に入手可能な模様。

 ・primroses

  プリムローズ - Wikipedia

  によれば

  サクラソウ科Primulaceae)の英名。

特に、サクラソウ科サクラソウ属プリムラ・ヴルガリス英語版Primula vulgaris)のこと。和名イチゲサクラソウ・イチゲコザクラ。

primrose の画像 at Wiki(eng)

http://blog-imgs-70.fc2.com/t/e/k/tekukame/201404080607381fe.jpg も参照

 

秋の訪れを告げる『イブニングプリムローズ』 | 鈴木ハーブ研究所 (s-herb.com)

によれば、同系の14種が日本にも帰化している由。そこいら辺の野原でもみつかるかもしれません。

この、最初の二つは、どちらもサクラソウ科で、どんな味がするのかと調べてみたら。

 ひとひらで2度おいしい 食べるお花、極上スイーツに|NIKKEI STYLE

に、
   ■プリムラ
    【出荷時期】12月上旬~4月中旬
    【特徴】別名サクラソウ。刺し身のツマとして1960年代から生産されている

と書かれていますので、細かいことにこだわらなければ、デパートや大型スーパーで案外簡単に入手できるかもしれません。

 このサクラソウ科の2種。ハーブに両方使う以上は、味に違いがあるはずで、どう違うのかが興味深いところです。

tansie

タンジー - Wikipedia

   和名はヨモギギク

Photo_20210318093501
かつて庭にいたタンジ―。
毒性のあることを知る前に、苗を買って植えたのですが、いつの間にか消えてしまいました。

 この、タンジーは、料理名中にあることから、この料理の味のキーになるハーブ/スパイスのはずなので、どうしても毒性のない代替品が必須。

 和名や写真のとおり「ヨモギ」のような「キク」ですので、同じ「キク亜科」の、草餅でおなじみの、

ヨモギ - Wikipedia

しか選択肢がなさそうです。

(タンジーに毒性があるとなると、同じ「ヨモギギク科」の植物は避けた方が安全でしょうし、ヨモギはヨモギ科と別の科ですが、食用できることは長い歴史が証明しています。
 なお、サクラソウ科でも、シクラメンは根に毒性があるそうです。)

 幸い、ヨモギなら、沖縄由来のものが我が家の庭にほぼ野生していますので

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(同地ではヤギ汁などの匂い消しに使う)、入手に苦労はありませんし、鉄道の線路際に自生していることも多いので、それと特定できれば、ですが、踏切脇などで案外身近に「天然物」を入手できるかもしれません。

■再び、調理法について

 さて、話は、柳川型なのか天ぷら型なのかの問題に戻ります。

 最初に作ってみたのは、もう15年以上前。

 北海道から送っていただいた、トレトレのワカサギを、卵黄に(冬場でヨモギの若芽がないので)シソ科ながらオレガノのフレークを加えて衣にして、定訳通り「揚げた」のですが、もちろん、不味いものは全く使っていないので当たり前ながら、美味しいに決まっていて、その後も何回か作ったものの、原文を読んでみると、一つの疑問が残ります。

 タンジーの方は、"the flowers of"が前置されていないので、葉を使う模様。それなら、天ぷら型でも、刻むなりしりて衣にブレンドすることはできますが、"cowslips"と"primroses"の花の方は、どうやって衣にブレンドするのでしょう?

 これが、柳川型ならば、頭と尻尾と内臓を取ったミノウを含めて、全部を「丸っぽ」のまま、卵黄にいれて、油を引いたフライパン(旧い料理の話なので使うのはスキットルか?)などで一気に焼き上げることができます。

 味の面でも、材料は同じなので天ぷら型とそれほど大きな違いがないと思われるのです。

 つまり、先ほどあげた少数説の柳川型も、調理法としてかなりの合理性がありますし、加えて、こちらの方が「卵たっぷり」のうえ、うまく花弁が表面に残ってくれれば、ゴージャスで理想的。

 この点、なにか新知見がありましたら、ここに追記することにします。

 

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2019/05/02

紹興酒の甕の開封

■推定…

約25年物の甕入り紹興酒。

約5升も入っているので、これまで開ける機会が無かったのですが、令和元年初日、10数名の方々が集まる機会に開封することになりました。

■問題は…

甕の上部をびちっと覆っている石膏の蓋を、甕を傷つけることなくどうやって外すかにありました。

YouTubeで、先達の方々の開け方をみると、人それぞれ。

5~6本のビデオを参考に、一番リスクの少なそうな方法を考えだしました。

■石膏の蓋は…

上手くゆけば、2つに「パカッ」と割れてくれることが分かったので、まず、そのためのガイド用に、石膏の上部に切れ目を入れます。

本格的な鋸を使って刃先を痛めたく無いので、100均で売っている「ホビー・ソー」を使います。

木を切るのにはほとんど実用にならないこの鋸でも、相手が石膏なので、いとも簡単に切ることができましたし、刃先が甘いおかげで、却って中蓋を傷つける心配がない、という「妙なメリット」もあります。

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■切れ目を…

ガイドに蓋を割るのですが、鑿(ノミ)を使っている方も居られるものの、これまた、数少ない虎の子の鑿の刃先を痛めるのは避けたい。

と、いうわけで、使い古しのマイナス・ドライバーでもないかと工具置場を探ったら…

ありました。平鏨(タガネ)!

何のために買ったのか忘れましたが、これなら刃先を心配することなく、遠慮会釈なく叩けます。

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■2か所ほど…

鏨を打ち込むと、ほぼ計算どおりに蓋が割れてくれました。

もっとも、簡単に外れたのは半分だけ。

残りは、元の切れ目と直角にタガネで割ると簡単にはずれてくれました(今度は、甕の口の位置がわかっているので、不安なく鏨を叩けます。2枚下の写真の左下参照)。

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■石膏の…

蓋が外れると、甕の口を覆う竹の皮の蓋が現れます。

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■竹の皮を…

外すと、素焼きの中蓋。

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■中蓋と…

その下の紙を取り除いて、開封完了。

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■ほかに…

必要だった道具は、

甕の口の周りの石膏を取り除くためのブラシ。

工具置場に転がっていた真鍮のワイヤブラシを使いましたが、適度の硬さと弾力性があって、正解でした。

 

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2019/04/10

【発掘写真】ありし日の、下北沢一番街〔すずらん通り〕の来々軒

注記のない写真は2010年12月23日撮影
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外観
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店内
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メニュー(1)
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メニュー(2)
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メニュー(3)
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湯麺
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「やきめし」

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2018/12/25

伊那名物「ローメン」・2タイプ

■長野県伊那地方の名物の一つ…

ローメン
https://inashi-kankoukyoukai.jp/contents/archives/27185

の、インスタント物を昨日頂戴した。

■大きく別けて…

ローメンには、汁麺の汁を少なくしたようなタイプと、焼きそばを汁っぽくしたようなタイプの、2系統があるのだが、今回のは、老舗「萬里」の、汁麺タイプ

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袋の中身は…

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真空パックの蒸し麺とレトルトのソース

作り方は簡単で…

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鍋で、水と野菜(キャベツは必須)を麺とソースに加えて蒸し煮にするたけ。

出来上がりは…

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まぎれもなく、ローメン。肉は当然マトン

さすがに、ローメン発祥のお店といわれているだけあって、スープがとてもおいしいので

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完食

このお店には、3年前の5月に行った

http://baumdorf.cocolog-nifty.com/gardengarden/2015/05/post-a41c.html

のだが、テーブル上にはソース、酢、しょうゆ、ラー油、コショウ、七味などのスパイスが満載で、

以下【資料映像】
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お客さんがそれぞれ好みの味にして食べる由。

実際、ほとんど一口ごとに、スパイス類を追加して試してみたのだが、その度に味ががらがらと変わるのに驚いた。それがローメンの醍醐味の一つなのだろう。

■一方…

伊那には、焼きそばタイプの方のカップ麺仕様もあって、同じ方から4年前に頂戴した

「いなかっぷローメン」

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なるもの。

こちらのカップ内は…

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蒸し麺、味付きマトン、ソース。それに薬味の七味唐辛子

まず、

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カップの底に蒸し麺を入れ…

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味付きマトンを載せ…

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さらに大量のキャベツのザク切りを載せる。大きめの葉3枚分位は載る。

キャベツの上から…

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ソースをかけ…

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蓋にソースが付かないように、少し残しておいたキャベツでカバーし…

蓋をして、500Wの電子レンジで加熱すると…

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3分位でいい匂いがしてきて、4分でアツアツ

あとは、よく混ぜて食べるだけ。

 

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2017/11/20

高崎の川魚鮨で、かつての立川駅の駅弁を思い出した

■先日…

お誘いを受けて、6年ぶりに仕事上の先輩の新潟県南魚沼市にあるセカンドハウスにお邪魔した。

 帰路は、かつての雪国の風物の一つ「雁木」をわざわざ復活したという塩沢に立ち寄ることがすんなり決まったものの、往路がなかなか決まらない。

 結局、ほぼ3分の1世紀ぶりに、在来線の清水トンネル経由で、上越国境を越えることにした。

Dsc08343t

■新幹線を…

高崎で降りて、上越(在来)線の水上行きに乗換える。

 ちょうど、昼時でもあり、まずは昼食を確保すべく、乗換通路の弁当売場へ。

■「だるま弁当」では…

あまりに芸がなさすぎるので、今まで食べたことのないものを、ということでチョイスしたのが…

上州の清流で育てた 川魚鮨」*

153s

*ラベルにあるギンヒカリなる魚

 _ 何かと思って調べてみたら、3年生育させた、群馬県ご自慢のニジマスの由。
 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000010726.html

 まぁ、それだけでも正解だったようである。

■しかし…

高崎発水上行きの3輌編成の電車は、全席ロング・シート。しかも、渋川までは週末のせいか座席がほぼ全部塞がっている状態で、とても弁当を食べるシテュエーションではなく、ようやく、箱を開くことができたのは、終着の水上で、長岡行きに乗換えてからになった。

 うまい具合に、水上駅のこ線橋に近い席に座っていたために、長岡行の2輌の各半分ほどあるクロス・シートを確保して

Dsc08327c
撮った写真がこれ。

Dsc08323s       左の赤がギンヒカリ、右の白がイワナ

 ごく普通の魚の押しずしではあるが、なにより川魚のそれというのがうれしい。

■食べてみると…

駅弁なので仕方ないことながらやや酢が強すぎるものの、川魚らしい味の癖がそこそこは残っていて(したがって、川魚が苦手の方にはお奨めできない)、かつて、仕事で拝島方面に行った帰りに、必ずといってよいほど買って帰った、今はなき、立川駅の鮎ずし、鱒(といっても、イワナが多かったように記憶している)ずし

19720203p209dij_2         交通公社時刻表1972年2・3月号p.209

を、懐かしく思いだしてしまった。

【追記】

NHKの「熱中時間」にも出演された「定ちゃん」の「駅弁の」小窓」のこの
http://ekibento.jp/ben-nos-east.htm
ページによると、立川市柴崎町の中村屋というお店で作っていたようです。
多摩川のアユ、奥多摩のヤマメやイワナを活かした姿寿司でした。

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2017/06/05

食べ物随筆名作2篇

■新聞で…

暮しの手帖社が、1968年1月にその第96号として発行した「戦争中の暮しの記録」の続編の原稿を募集していることを知った。

https://www.kurashi-no-techo.co.jp/70th

この雑誌(というよりコンセプトはMookに近いか)、祖母が本屋さんにたのんで定期購読していたので(他は、ミセス、家庭画報、そして女性自身)、自然にこちらも定期購読していたのだが…

■これだけは…

と思ってもらい受けて保存していた2冊のうち1冊が、この96号だった。

で、もう1冊は、どれかというと

この号で

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なぜかというと、この

_first

洋画家の中村研一画伯のエッセイがあったためである。

 なにが嬉しいかというと、ジャガイモとかサバとかいった、ごくごくありふれた食材を、いかに美味く食うかの話に終始していて、著作権の制約がなければ全文転載したいくらい。

【追記】
中村画伯は、1967年8月没。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E7%A0%94%E4%B8%80
したがって、2017年の経過を以て著作権は消滅していることになるので、このブログのWebページでご紹介することにした。

 で、一番印象に残っていて、今でもいわば座右の銘にしているのは、中村画伯が京都の下宿で同宿だった、元破戒坊主さんの以下の教訓。

「人間はねえ、衣食住というものが大事ですよ」
「食いものはね、とくべつ高いものを食やあ、別だけど、当り前のものを食っとれば、天子さまが食わはったかて、あんたが食うたかて、ようするに、腹一杯になるのは、おんなじこっちゃ。欲ばっても食いためもできません。大金持の大倉喜八郎が食うたかて、おんなじこっちゃから、食いもの、これにはぜいたくしなはれよ」
食べものは、なんぼぜいたくしたかて、たかがしれとる。腹が一杯になったら、それで終いや

画伯は、この話に続けて、徒然草の以下の件を引いています。

(生きてゆくために止むを得ない四つのものは、衣食住と、そして薬で、)『この四つ欠けざるを富めりとなす、この四つの外を求め営むをおごりとす』」

もっともです。

■実は…

私の「食い物感」を決定した本がもう一冊あって、それが、

隣家に住んでいた、今は亡き9歳年上の叔父の、おそらくは、やはり今は亡きその連れ合いの蔵書だったと思われるものを、借りてむさぼり読んだ

伊丹十三「ヨーロッパ退屈日記」

(いわば、そのサワリの部分についての的確な評論は ここ

だったのですが、この本について書き出すとキリがないし、この本、伊丹がアメリカ映画で清朝末期の義和団の乱をテーマにした「北京の55日」に出演のため、ヨーロッパ滞在中の経験を綴ったもので、最後は義和団の乱の折の、伊丹が演じた各国外交団が北京に籠城していた時の多国籍軍の実質的な司令官、帝国陸軍の柴五郎中佐*の話にまで脱線しそうなので、また別に機会に。

*やはり、少し脱線

 義和団の乱の際の柴中佐やその部下を主人公にした小説
  松岡圭祐・著「黄砂の籠城」(上・下)講談社文庫
 が出版されたのを新聞の書評欄で知ったので、さっそく入手した。

 小説ではなく、伝記で読みたいのなら
 石光真人・編著「ある明治人の記録
―会津人柴五郎の遺書」 中公新書
 をお奨めしたい。

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2017/06/04

レナウン・ミラノの「スパゲティ カルニ」…もどき

【お願い】

なにやら最近、このページへのアクセスが増えだし、しかも、それが恒常的になっています。

しかし、考えてみると、「レナウンミラノ」ましてや「スパゲティ・カルニ」を実際に記憶されている方は、どんなに若くても50代後半の方でないかと推定しております。

そこで、お願いなのですが、せっかくの、「青春」あるいは「青春ちょっと後」の、ご記憶を「忘却の彼方」に埋もれさせないために、どんな断片的なお話でも結構ですし、匿名のポストでも一向に構いませんので、ぜひコメント欄にポストしていただきたく、お願いいたします。

■突然…

今は亡きイタリアンレストラン「レナウン・ミラノ」の「スパゲティ カルニ」を思い出した。

 このレナウン・ミラノ。小田急線新宿駅の地下ホームへの入口のところにあったお店に、独身時代、出張帰りの、家に帰って夕食を作るのが億劫なときによく立ち寄って、大抵の場合は「スパゲティ トレンチノ」という、私の記憶が確かならば(理由は後述)、小型の洗面器ほどの大きさの器に入ったスパゲティの上に、スパニッシュ・オムレツを載せ、トマト・ソースをかけたもの(当然、+ビール)をオーダーしていたのだが…

■ヘロヘロに…

くたびれているときには、もう少しヴォリュームのあるものを、というわけで、頼んだのが、先の「小洗面器入りパスタ」に、仔牛のコルドンブルーを載せ、ミートソース(これについては後述)をかけたものだった。

 と、いうのも、トレンチノは確か1150円くらいだったので、+ビールでも1000円台半ばで納まるのだが、カルニの方は確か1450円くらいだったうえ、トッピングとはいえ「コルドンブルーなのだから、やはり赤ワインも」となって、コストが2000円台なかばに跳ね上がってしまうので、そういった「自分にご褒美」というときでもないと(出張手当を勘案しても)ちょっと大変、というお財布の都合もあったのである。

■とはいえ…

少なくとも当時「仔牛のコルドン・ブルー」(今になって冷静に考えると、これってフレンチのレシピではなかろうか)をメニューに入れているお店は多くはなかったし、あったとしても、単品の価格が「ミラノのカルニ」の価格を上回る1600円とか1800円だったのだから(いうまでもなく、トータルの勘定書きは、それだけでは済まない)、言ってみれば「レア感」+「食べ得」という点でコストパフォーマンスが高かったのである。

■レナウン・ミラノはもうないので…

あの名残のレシピをどこかにとどめてくれているお店はないかと「ぐぐっ」た結果、ようやく見つけたのが

「青空の下で喜怒哀楽」なるブログの、ここ
http://yaplog.jp/masa238/archive/501
に紹介されている『イタリー亭本店』のカルニだが、さすがに熊本となると遠すぎてゆけない。

■と、いうわけで…

擬き〔もどき〕を自分で作ってみることにした。

 ところで、『イタリー亭本店』のトッピングは、何かのカツレツにチーズを載っけたもののようだが、オリジナルはコルドンブルー、つまり「チーズはさみの仔牛のシュニッツェル」だったと記憶している。

 しかし、そうなると、

・どこかで、仔牛肉を調達し……………これ自体が第一関門
・それを薄くたたき延ばして……………これも手間
*
    *「手間はいとわないのでもやってみたい」という方にご教示するのだが、
   「強く、しかし、優しく」叩くにはビールの大瓶の側面を使うのがベスト。
   
ただし、叩くのに使ったビール瓶は、その日のうちには、決して開けな
   
いように。
         【追記】
   ワインボトルでもよいかもしれない。
   しかし、こちらも、せっかくボトルの中で「納まって」くれちる「オリ」を
   擾乱してしまうので、あまりに高級なのは、この用途に向かない。
 ・塩コショウなどで下味をつけ
・チーズと重ね合わせたうえ
・小麦粉・卵・パン粉の衣をつけ………肉だけならともかく、素人には難しい
・ヒタヒタの油で満たしたフライパンで
・揚げ焼きする

 

必要があるわけで、自作となると難しいし、完成品をデパートなどのデリカテッセンで調達できるとしても結構なコストになってしまう。

 

■そこで思い至ったのが…

数か月に一度くらい行く東急大井町線の等々力の、駅前商店街にある、お肉屋さん「吉野家」さん

 

Yoshinoya_2

の、チキン〔お店の方にうかがったら「ポーク」の由。あっさり目
のポークなので、かえって、チキンよりもポークに近いかも〕
  のチーズ巻カツ。

 このお店の、(普通の)チキンカツは安くて非常にといってよい位おいしいので、チーズ巻きカツも多分間違いなくおいしかろうし、何よりの魅力は、たしか1個110円という、いわゆるバジェット・プライス、というわけで先日行ったときに、2つ調達してきて、冷凍しておいた。

 

■そこで…

 

去る6月2日の金曜日。「かぁちゃん達者で留守がいい」、つまりは自前で夕食を調達することになったときに、その吉野家チキン巻カツで「擬き〔もどき〕」を作ってみることにした。

 

●パスタをゆでる

 

  オリジナルはちょっと細めのスパゲティだったと思うのだが、今回は、ソースをたっぷりとからめたいので、リングィーネ(12分茹で)。Dsc06050s

 

●ソース

 

 記憶では、トマトソースだと信じて疑っていなかったのだが、Web上でみる皆さんの記憶ではミートソース。

 

 こうなると、当方の記憶違いだったようなのだが、あまり肉の味が強いソースでは、肝心の仔牛肉のやさしい味の方が負けてしまって本末転倒になってしまうこと必定。やはりトマトの味が勝っているソースだったことは確実だろう、ということで見つけた、限りなくトマトソースに近いタイプの、イオンのレトルトのミートソース。

 

Dsc06048s

 

●トッピング

 

 半解凍した、チーズ巻チキンカツをカットして

 

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 フライパンで暖めておいたソースに投入

 

Dsc06054s

●パスタが茹でがったところで

 

ザル

 

Dsc06055s

 

で、湯を切って

 

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から、ボウル(もうトシで、それほどの量は食えないので、洗面器ほどは大きくない)に入れて、ソースとトッピングを載せ…

 

Dsc06059s

 さらに、フライパンに残ったソースをパスタをからめてからボウルに入れ

 

たっぷりとパルミジャーノをかけて、出来上がり。

 

Dsc06061s

 

●サイドヂッシュは…

 

 太いキュウリがないので、普通のキュウリを皮付きのままで作った

 

Dsc06044s

「ドイツ風キュウリのサラダ」

 

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●で…

 

「よっしゃぁ、持ってけい」で食卓に。

 

自分で自分に「け」(津軽弁)

 

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●そして…

 

「く」(津軽弁)

 

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 結末は「大変おいしゅうございました」

 

■実をいうと…

 

この「カルニ擬き」、10日ほど前にも、某コンビニで買ったチキンのナゲットにチーズを載せてオーブントースターで焼いたものをトッピングにして作ってはみたものの、ナゲットのスパイスが「から揚げ」風で強すぎるうえ、「単なるチーズ載っけ」と「チーズ入り」のチキンの味の差には歴然としたものがあって、かのカルニとは似ても似つかぬ味になってしまって大失敗だったので、今回のは第2作目。

 

 

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2016/10/16

世田谷区代田図書館講演会「三土代會の歴史」

2016年10月15日…

世田谷区代田図書館の講演会

「昔の代田」(第2弾)『三土代會の歴史』

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に行ってきた。

「三土代會」

【資料映像】
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2007年12月1日の「代田フェスタ」で撮影

というのは…

戦後、代田の始祖とされる「代田七人衆」と呼ばれる7家の末裔を中心に、当初はその菩提寺である円乗院*の檀家で構成された団体で、詳細は

【資料映像】
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同上

を参照。

文中の、多人数で一気に餅を搗きあげる「代田餅搗き」は、これまでマスメディアでもよく取り上げられていただだけでなく、世田谷区の無形民俗文化財(民俗芸能)にも指定されている。

*正式には「代永山円乗院真勝寺」

具体的にどんな「餅搗き」なのかは…

当方が、YouTubeにアップロード済みの、

2012年 1月15日 世田谷区代田八幡神社

https://youtu.be/eYDpt7Y-ZG8

での映像で。

なぜ…

このような餅搗きをするようになったのかというと、その理由は2つあって

その先、半年から1年分の農作業時の昼食にする水餅用に大量に搗く必要
 家族の多い家では、その分大量の餅を作る必要があるので、4俵・5俵(1俵60キログラム)分の餅をできるだけ短時間で搗く必要があった

水田が少ない地域なので、粘り気の少ない陸稲主体の米で搗く必要
 陸稲の米に、雑穀と少量の水稲の米を加えたものに餅の粘り気を出させるため、6人あるいは8人がかりで一気に搗き上げる必要があった

ことから、独特の方法(ただし、全国で唯一無二というわけではない*)が考えられた由。

*新潟県小千谷の5人搗き
  
http://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/kikakuseisaku/kinetsuki-2012.html
 山形県上山〔上の山〕の8人搗き
  http://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/site/kouhoushi/mati-141221.html
 など。

上のビデオを撮った…

2012年の折は、いわば「古式」に倣って米に粟を混ぜて搗いた餅が、ふるまわれたが、柳下隆さんの解説によると、戦前や江戸時代の餅を「完全復刻」するのは、実は、以下のようにそう簡単ではない、とのことだった。

そもそも米が違う

 当然のことながら、かつては、買ってきた米を使うわけではなく、自家で収穫した米を使うのだが、代田村の水田は、北沢用水沿いなど面積が限られていて、ほとんどが陸稲で粘り気が少ないので、搗きあげるのに時間がかかり、現在の水稲の米なら1臼5・6分で搗き上がるが、陸稲の米だとその倍の時間がかかる

搗き上がった後の雑穀の状態が違う

 前記のように、当地の餅は、もともとは、陸稲米だけでなく、それにトウモロコシ、粟、稗などの雑穀を加えて、さらに少量の水稲米を加えて搗いていたが、そのころは、長時間搗く、したがって搗く回数が多いので、雑穀(粟、稗を何日も前から水に漬けておく。)、皮が破れて餅の中に混ざりこむが、今は短時間で搗き上がってしまうので、皮が破れず、粒のまま餅の中に残ってしまう

かつてと同じ材料が入手できない
 トウモロコシは干して保存しておいたものを、前日から水に漬けて戻し、皮をはずして使っていたが、今入手できるのは西欧由来の品種のもので、当時使われていた在来種が今では手に入らない

「代田餅搗き唄」は…

 会員の鈴木巌さんから、毎回の餅搗きの冒頭の杵を使って米を捏ねる「こねどり」という作業(ビデオ参照)の時の唄と、全ての餅搗きを終えるときの納の唄をご披露いたいた。

 歌詞カードが資料として配られたので、そのうち、まだ著作権が存続中の平成元年に創られた部分(昭和天皇の崩御を受けて、元唄がすべて「目出度い内容」なので畏れ多い、ということから追加された由。)を除いて転載する(青文字部分がご披露いただいた2番)。

代田三土代會伝承「餅搗き唄」

ノーエ

目出度ナーエ 目出度めでたの若松様よ
庭にやヨーエ 庭にや鶴亀ソレサ五葉の松
松のナーエ 松の下にはお爺とお婆
お爺ナーエ お爺百までわしゃ九十九まで
共にナーエ 共に白髪のソレサはえるまで
共にナーエ 共の白髪はソレサまだおろか
孫にナーエ 孫に白髪のソレサはえるまで
孫のナーエ 孫の白髪はソレサまだおろか
石のナーエ 石の土台のソレサ腐るまで
さあさナーエ さあさ皆様程よく練れた
ねれたナーエ 練れたところでたたこぢゃないか ヨイヨイヨイ

此の家ナーエ 此の家やかたは目出度いやかた
奥じゃヨーエ 奥じゃ三味ひく中の間じゃ踊る
お台ナーエ お台所じゃおかちんねりを
これはナーエ これは来春ソレサ神供え
神仁ナーエ 神に供えて千両箱つんで
千両ナーエ 千両箱には大黒・恵比寿
恵比寿ナーエ 恵比寿・大黒ソレサ福の神
さあさナーエ さあさ皆様程よく練れた
練れたところでたたこじゃないか ヨイヨイヨイ

富士のナーエ 富士の白雪朝日でとける
とけてナーエ とけて流れて三島に落ちる
三島ナーエ 三島女郎衆が ソレサ化粧の水
女郎がナーエ 女郎が化粧して ソレサ客を待つ

よせばナーエ よせばいいのに舌切雀
ちょいとヨーエ ちょいと舐めたが ソレサ身の因果

本町ナーエ 本町二丁目の糸屋の娘
姉はヨーエ 姉ぼ二十一妹は二十
姉にやヨーエ 姉にや少しも望みはないが
妹ヨーエ 妹ほしさに御りょ願かけて

伊勢ナーエ 伊勢へ七度 熊野へ三度
芝のナーエ 芝の愛宕山ヘ ソレサ月詣り
愛宕ナーエ 愛宕土産に何と何をもろた
笠がナーエ 笠が三階 刀が三腰
笠はナーエ 笠は娘に 刀は婿に
娘ナーエ 娘かぶれりやれ 婿殿さしやれ
さあさナーエ さあさ皆様たたこぢゃないか ヨイヨイヨイ

沖のナーエ 沖の暗いのに白帆が見える
あれはヨーエ あれは紀伊の国 ソレサ蜜柑船
神田の市場で売られて買われて むかれて食われて
皮はヨーエ 干して刻んで 珍皮とされる

花のナーエ、花の吉原将棋の駒よ 金銀飛車角 桂馬の高飛び
香車ナーエ 香車なければ ソレサ歩がただぬ
揃ろたナーエ 揃ろた揃ろたよ六本の杵が 稲の出穂よりまだよく揃ろた
揃ろたナーエ 揃ろたところででたたこぢゃないか ヨイヨイヨイ

湯屋のナーエ 湯屋ののれんに松竹梅よ
熱さナーエ 熱さやうめまつ ぬるけりやだけよ ヨイヨイヨイ

曽我のナーエ 曽我のあだうち仁田の四郎は
富士のナーエ 富士の裾野で ソレサひざ枕 ヨイヨイヨイ

押せよナーエ 押せよ押せ押せ 押さなきや行かぬ
押してナーエ 押して木を遣る ソレサいかだ舟

伊勢はナーエ 伊勢は津でもつ 津は伊勢でもつ
尾張ナーエ 尾張名古屋は ソレサ城でもつ
内のナーエ 内のしんしょうは ソレサ妻でもつ

此の家ナーエ 此の家やかたは目出度い造り
柱ナーエ 柱金銀で 垂水が銀よ
屋根はナーエ 屋根は黄金で ヤレサ葺積る
奥ぢやナーエ 奥ぢや楽しく中の間で踊る
お台ナーエ お台所ではおかちんねーりよ

戸田のナーエ 戸田の渡しで今朝見た小女
あの小女ナーエ あの小女にやりたいものは
銀のナーエ 銀のかんざし 五尺のかもじ
入れてナーエ 入れて結わせて あとがら見れば
にいさナーエ にいさ泣かせの アリャ投島田

伊豆のナーエ 伊豆の七島 四国で八島
わしのナーエ わしの眼につく つく九の年増
表ナーエ 表向をば茶縞で見せて
今朝もナーエ 今朝も野に出て ヤレサ若菜を摘めば
露でナーエ 露で小つまが皆濡れる

袷ナーエ 袷よくきけみじろやおくみ
つまじやナーエ つまじやー生の苦労する
露でナーエ 露ぢや濡れても ヤレサ心ぢや濡れぬ
つまとナーエ つまと名がつきや濡れもする

遠くナーエ 遠く離れて苦労するよりは
浮気ナーエ 浮気されても側がよい

洗髪ナーエ 洗髪ほど心はとけて
主ヘナーエ 主へまごころ つげの櫛

〔転載省略:上記参照〕

これがナーエ これがこなたの納めの餅よ
釜もナーエ 釜もだいすも 蒸龍もご苦労
今年ナーエ 今年やこれきり ヤレサおなごり惜しや
御縁ナーエ 御縁あるなら また来年も

これがナーエ これがこの家の納めの臼よ
臼もナーエ 臼もだいす
*も蒸寵も杵も
それにナーエ それに続いて手返さんも御苦労
それにナーエ それに続いて板前さんも御苦労
それにナーエ それに続いて皆さんも御苦労
御縁ナーエ 御縁あるなら また来年も
明日はナーエ 明日はどちらでお搗きなさる

*「だいす」〔台す〕は、円形の釜の上に四角い蒸籠を載せるときに、釜の蒸気を蒸篭に送るために必要な、
 
丸穴の空いた四角い板
http://fujitadougu.com/mochi/mochi_kakuseiro.html の末尾参照

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2016/10/12

戦下のレシピ

去る…

平成27年12月5日開催の

北沢川文化遺産保存の会 の忘年会。
http://blog.livedoor.jp/rail777/archives/52003856.html

1人1品持ち込みが慣例なので、毎回ネタ探しには行き詰まることがあるのですが、ここ数年、この会ではここ数年、先の戦時中の学童疎開が中心的な話題の一つなので、たまたま、とある知人から教えていただいた

斎藤美奈子「戦下のレシピ」岩波現代文庫
ISBN978-4-00-603291-3

Senka


という本にある「戦時食」の中から、まさに戦中終期の

ゆでじゃがいもに

「かぼちゃソース」 と

「代用マヨネーズ

のサラダ

を作って持ち込んだ。

とはいえ…

70数年前とは、以下のように材料が違うため、決して「同じ味にはならない」はずで、それでも、なるべく当時に近い材料(〔〕内は一般的材料。赤字が使った素材)を使うようにしたのだが…

■ゆでじゃがいも当時:よくて男爵 現代:伯爵など〕

■かぼちゃソース
蒸南瓜 〔当時:日本かぼちゃ 現代:西洋かぼちゃ〕    
  の
裏漉し大匙3杯に
・塩 〔当時:海水塩 現代:合成塩〕
  小匙1杯

・辛子
  
小匙半杯
・酢〔当時:最悪、氷酢酸水溶液 現代:醸造酢

  大匙2杯 
をねり合せる。

■代用マヨネーズ
・小麦粉 〔当時: 国産小麦 現代:アメリカ産小麦
  でとろっとした糊を作って冷まし、

・塩 〔当時:海水塩 現代:合成塩〕
  を入れ、
・酢 〔当時:最悪、氷酢酸水溶液 現代:醸造酢
  1に対し

油 〔当時:大豆油 現代:綿実油

  10の割合に加え
よくかき混ぜる
・溶き芥子を入れるとなおよい。

作った直後は…

無加工のじゃがいもはさておき、かぼちゃのソ-ス、代用マヨネーズともイマイチだったものの、時間が経ってみると、どちらもそこそこに(特に後者は「化けて」)もっともらしい味になっていた *

 やはり「心配」していたとおり、当時と現在との素材の差が結果に影響していたようで、たしかに、悪評の伝わる「すいとん」も、レシピを見るかぎり、ちゃんとした材料でつくれば、どう考えても「まずかろうはずがない」ので。

[後註]
* 水(実際は「ぬるま湯」)溶きの小麦粉から話がはじまるので、違和感があっただけで…
 油に酢に塩という点からいえば、ただの「サラダドレッシング」
 これに、油と酢をなじませるための「乳化材」として小麦粉デンプンを使う、と考えると…
 ほぼ、アメリカ人が発明し、フランス人はまず絶対に使わないらしい、(白)フレンチ・ドレッシングと同じことで、破綻がなかったのも、当然といえば当然。

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2016/10/04

復活した我が家の定番レシピ「キュウリのドイツ風サラダ」

〔卒爾?ながら…〕

■到来物の「山の幸」

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の中に「大きなキュウリ」がありました。

■せっかくの大サイズのキュウリなので…

30年以上も前になりますが、京王プラザホテルの2階あたりにあったカフェで出していた
「ドイツ風キュウリのサラダ」
を、久しぶりに作ってみました。

辛子の利いたドレッシングが好みで、独身時代から我が家の定番メニュー。

(普通の日本のキュウリだと、皮を剥くとほとんど中身がなくなりかねず、また、身が柔らかすぎで「ドッシリ感」がに欠けます-アメリカのキュウリだと後者の問題はおこりませんが、そもそもそんなもの売ってない-。さりとて、皮を剥かないと「出来損ないのキュウリ鱠」になってしまいがちです。)

お肉にも合いますし、茹でたマカロニなどに載っけてハムでもあしらうとヴォリュームのあるサラダになり、さらにマカロニを増やすと「一食」ができてしまいます。

■作るのは…

以下の手順で、いとも簡単。

和食の定番「キュウリ鱠」のおいしさとは、また一味ちがうおいしさです。

6pcs

Enjoy!

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