帖昆爐とキャン★ドゥのアルコール・ストーブ

■ハヤリの…

アルコール・ストーブは、通常のフィールド・ワークのためなら、2台のガソリン・ストーブに加えてCB缶によるガスのシングルバーナーも調達済なので、必要性はないのですが…

 ネット上で、最近、キャン★ドゥとワッツから、わずか税込み330円のアルコール・ストーブが発売されたことを知って、それを、現在進行形の、いわば「江戸時代のフィールド・ワーク」を再現するための当座の対応に使えないかと思い至りました。

■要は…

最近、やっとヤフオクで入手できた「帖昆爐」〔タタミコンロ〕なる、携帯用の、煎茶道での涼炉〔リョウロ〕サイズの折り畳み式小型焜炉。

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懸案解決「帖昆爐」…: 平成作庭記+α (cocolog-nifty.com)

 最終的には、
火打ち石
 →(ガマの穂などの)火口〔ホグチ〕
  →(松かさ・消炭などの)焚付
と手順を追って炭火を熾して使いたいのですが、この江戸時代の人たちにとっては造作もない作業だったはずの最初のステップが、現代人にとってはハードルが高い。

帖昆爐の火熾し: 平成作庭記+α (cocolog-nifty.com)

■火さえ…

熾れば、直火可能な急須(本来は、その原型といわれる急火焼〔キビショ(ウ)〕)で、煎茶葉を煎じれば、江戸時代終わりころ、十方庵敬順という引退した僧侶がフィールドで行っていた煮茶〔ニチャ〕、つまり、帖昆爐、急火焼、炭などの燃料とお気に入りの煎茶葉2種ほどを携えて江戸郊外に出かけ、現地の川や池で汲んだ水を沸かして煎茶葉を煎じ、それを喫しながらゆったりとした時を楽しむ

「遊歴雑記」中の「帖昆爐」: 平成作庭記+α (cocolog-nifty.com)

ということが再現できるのです。

 その最初でクリア不可欠のハードルだった先の帖昆爐が入手でき、さらに煮茶向きの煎茶葉もまだ1種類ですが見つけることができたので、あと急須を調達すれば、まずは火熾しの手順をバイパスして、敬順師の煮茶を試すことができます。

十方庵敬順の煎茶を再現する【随時更新】: 平成作庭記+α (cocolog-nifty.com)

 つまり、帖昆爐の本来なら熾った炭の載る火皿の部分に、アルコールランプなりアルコール・ストーブあるいは固形燃料を入れれば、ともかくも、急須で湯を沸かすことができ、それができたら、次は、ライターなりイワタニのガストーチを使って、焚付までの手順をバイパスさせて炭を熾し、最終的に火打石から始まるフルヴァージョンに挑戦するというステップがとれます。

■今回…

キャン★ドゥのアルコール・ストーブに注目したのは

・アルミ製で軽量

炭を置くことしか想定していない火皿は、片側が小さな蝶番、反対側は側板に摩擦で「ひっかかって」いるだけなので、そこにガラス製のアルコール・ランプや真鍮製のアルコール・ストーブなどの荷重を掛けるのは避けたいところ。
このストーブは、ネットでみてもペナペナなアルミ板をプレス加工しただけなので、いかにも軽量そうで、火皿に載せるには理想的です。

・ローコスト

先の作戦のように、焚付け以降の手順はハードルも低いので、おそらく、アルコール・ストーブを帖昆爐で使うのは、今後調達する急須の耐火テストを兼ねた数回程度でしょうから*、その後の用途にアテがないので、あまりコストはかけたくないのです。

*火口や焚付け用の、木炭やヤマブキの枝などの消炭作りにも使えることに気が付いた

・消毒用エタノールが燃料に使える

ちょっと、勿体ない気はするのですが、さりとてメタノールを買って大半がストックなってしまうのは、もっと勿体ないことになります*
幸い、最近ではエタノール70~80%の消毒剤の入手にそれぼど苦労しなくなったうえ、無水エタノールの原液についても入手しやすくなったこともあり温存する必要性はかなり減ってきていますので。

* これ 除菌もできる燃料用アルコール500ml なら、燃料としては使い残しても、無駄にならないかもしれない

というところにありました。

■しかし…

当初、ネックと思えたのは、サイズでした。

 と、いうのは、このストーブの直径が80ミリと書かれているネット上の情報をみたように思うのですが、帖昆爐の火皿の寸法は約75ミリ角なので、そもそも、入らないことになるためです。

■ところが…

昨日、仕事が早々に終わったので、玄関先に靴用の棚から溢れでている靴になんとか収拾を付けるため、100均で売られているのを見たことがあるシューラックを調達するため、セリアのだかキャン★ドゥのだか思い出せなかったので、両店が至近距離に集中している三軒茶屋に寄りました(そこから自宅に戻る途中のバスの終点である下北沢にはダイソーが2店あり、ピーコック・ストアにも100均売り場があるので、理想的)。

 シューラックはキャン★ドゥにあって、早々にレジを済ませて、次にセリアに廻るため店頭に出たところ、棚に件のストーブがいくつか置いてありました。

 「意外に小さいなぁ」と思ったので箱を手に取って寸法表記をみると、なんと7.2㎝×3.8㎝と書いてあるではありませんか。

 これなら、なんとか、帖昆爐に納まる可能性がありますし、何より、持ってみて異常と思えるほど軽いのが魅力的(持ち帰って測るとフタなしで13グラム、フタ付で21グラム。アルコールの比重は0.8なので、50ml入れると、50×0.8+13で53グラム*)。

*YouTube にあった、涼炉の炭手前を見ると、炭の重さはせいぜい20グラム。一方、同じく YouTubeで見るとストーブに安全性向上のためにスチールウールを充填すると4グラム荷重が増えるようなので、上記53グラム+4グラム=57グラムで、荷重オーバー。
 燃焼中に火床が傾くと消しようがないので、取り合えず、空のストーブにコイン(例えば、1円玉=1グラム)で44グラムのバラストを載せてテストするのが先決のようです。

さっそく、レジに立ち戻った次第。

■持ち帰って…

まずは、最優先課題のシューラックを組み立てた後、帖焜炉を組み立て、その火皿

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の上にストーブを載せると、こんな

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具合。

■このストーブ…

ネット上では「爆発」*なる現象が数多く採り上げられているようですが、YouTube では、以下のように、対応策を発表されている方が、何人かおられるので

HITO さん

キャンドゥ アルコールストーブを簡単カスタムしてみた

キャンドゥ アルコールストーブ簡単カスタムで突沸解消の検証

探偵サカイちゃんねる さん

【キャンドゥアルスト爆発問題】4つの着火具で試してみた(ゆっくりテストしていますよ)

猿【Saru】 さん

【Can★Do】②アルコールストーブ「小爆発回避策」

 

対策と手順と使用場所を間違えなければ、実験用には十分使えるかと思います。

*上のリンク先のHITOさんは「突沸」と呼んでいますが、他の方の動画でもみることのできる症状を見る限り、この表現が一番現象を的確に表現しているように思えます。

【追記】

あくまで当方の使用目的(炭火の代わり)としてであって、バーナーとして使う場合の火力については効果が減殺されるようにも思えるので、いわば特殊例に過ぎない。

 先に書いたように、そもそもの、このストーブの用途は、帖昆爐の実験用のための「炭火のシミュレーション」なので、あまりアルコールの蒸気の炎が周囲の噴出口から勢いよく吹き出すのは、本来は好ましい状態とはいえない。

 その意味で、上記の動画を比較すると、「HITO」さん考案の周囲のタンクの部分へのスチールウールの充填に加え、「猿【Saru】」さん型の噴出口の面積の拡大で、「なるべく柔らかい炎に」という効果と安全性とを両立させておいて、テスト段階では庭石

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「チャート」と呼ばれる、火打(燧)石に使えないかと目論んでいる石でもある

上で燃焼させるのが、最善策と思われる。

■突沸対策についての考察

●燃料室へのスティール・ウールの充填

 これは、上記の先達の方々による対策法として共通している。

 どなたかの動画によれば、その充填で、重さは4グラムほど増加するとのこと。
 (4) [100均キャンプ道具] 100均アルコールストーブ‼︎ CanDoのアルコールストーブを丸裸にして紹介します!! - YouTube

 鉄の比重は7.85なので、鉄自体の純粋な体積は0.5立法センチメートルに過ぎないので、それ自体の燃料室の容積の減少、逆にいえは、燃料の体積を嵩上げする効果は非常に限られている、というか、誤差範囲止まるといってよいだろう。

 むしろ、アルコール蒸気に着火し、急激に膨張したときに、燃料室内から、下部の本体との隙間の部分や上部の噴出口に向かって高速で流れることになる。

 これは気体でも液体でも同じだが、狭い隙間、具体的にはスティールウールの繊維の間の狭い空間を通過する際には、見かけ上の粘性が増す、おおざっぱにいえば、サラサラ状態からトロトロ状態になるので、その膨張速度が減殺されるために、燃料室内のアルコール燃料を外部に「弾き出す」のをある程度抑制する効果があるのだと思われる。

●燃焼用の噴出穴の数量と面積

   これが、とくに火力をなるべく落としたい当方にとっては、悩ましい。

 現在18個ある直径2ミリほどの噴出穴を、一部塞いで減らす、あるいは|あわせて開口面積を広げるというカスタマイズをしている方もあり、それそれが、あるいは、これらを併用すると、どのような効果があるのか判断しにくいためである。

 このあたり、一般的なアルコールストーブと数・断面積とも大きな差はなさそうなので、先のスティール・ウールの充填と燃料補給から着火までの時間間隔の確保でも効果が見込まれそうなので、当面はノーマルのまま使ってみようかと思う。

 実際、この

 (4) 【美しい炎】キャンドゥアルスト・簡単プチ改造3種類比較してみる(ゆっくり、どの炎がいちばん美しい?) - YouTube

「探偵サカイちゃんねる」さんの比較実験結果をみても、噴出口の数やサイズによって燃焼時間に有意といえるほどの差は出ていない。
 と、いうことは、噴出口いかんによって、単位時間あたりの発生熱量に差は生じないことになる。