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2014/04/14

還ってきたフィッシュアイ・レンズ

フィッシュアイ・レンズ

日本語で魚眼レンズは、やや乱暴に分類すると、レンズから見て180度の範囲の映像が、画面の対角線の長さに写り込むタイプの対角線魚眼レンズと、画面の短辺の長さに写り込んでまん丸の画像を作る全周魚眼レンズと呼ばれるタイプに大別されます。

前者については、一体何のためにそんなレンズが必要なのか未だに全く理解できないのですが、後者については、天文とか気象(たとえば雲)とか、その他広範囲を一度に記録する用途があることは容易に想像がつきます。

今から30年近く前に…

入手したキヤノンのFD7.5mm/F5.6という全周魚眼レンズも、まさにその範疇の用途、具体的には、仕事の一環として、ある場所の直上を通過する飛行機の高度を写真から割り出すために、たしか銀座のスキヤカメラで中古品を購入したものでした。

もっとも、そんな「変な」作業が必要になる仕事なんて、そうそうあるわけもなく、用が済んだ後は長らくケースの中に眠ったままで、いっとき、パンフォーカスのため距離計連動が不要なのでライカでも使えることから、オークションでFD-ライカ・スクリューマウントのアダプタを入手し、ドアミラーでファインダを作ってはみたものの*1、何枚か試し撮りをした後は、やはり、お蔵入り状態となっていました。

*1 ここの冒頭を参照
  FD7.5/F5.6>キヤノン純正FD-キヤノン・スクリューマウント変換アダプタ>ライカ用LMリングの順です

デジタルカメラといっても…

それだけでは、フィルム・スキャナにかける一手間が減るだけで、まん丸写真には違いがなく「実用性」という面では使いにくいことに変わりがありません。

しかし「凄いソフト」が…

コンピュータによる画像処理が発達したお陰で、世の中にあることがわかりました。
それは
 安原製作所 製の WALP
というソフト。

簡単にいえば、魚眼レンズで撮影した歪んだ画像を、まるで超広角レンズで撮影したような歪みのない「平ら」な画像に変形してくれるソフトです。

もともとは、同社の MADOKA という、APS-Cカメラ用の全周魚眼レンズ用に開発されたもので、光学的な仕様が違う他社レンズには対応していないようなのですが、ものは試しで、FD7.5mm/f5.6で撮った*1-2写真を使って、試用版ソフトでテストしてみたところ…

*1-2 FD-NEX用ではなく、*1のセット>ライカM-NEXアダプタの構成です
       
手持ちのFD-NEXアダプタが安物お定まりのオーバーインフのタイプのためです
    
このタイプを「好感が持てる」と評価されている方がいて目が点になりました
    
レンズのインフが狂っているなら、まずはそちらを直すのが本来の対応で、アダプタで
    修正するのは、どう考えても邪道です

    その方がローコストですむのは確かなので、その意味で、多少の評価はできるかもし
    れませんが、決して、おおっぴらに「積極評価」できることとは思えません

Walptest_org

Walptest_cnv
*いずれも「レベル調整」済み

確かに、元レンズがMADOKAじゃないので、発売元の解説どおり、完全には歪みは取り切れていない*2のですが、実用上問題ないレベルまで「平ら」な画像にしてくれています。

*2 詳しくは、ここの第1問目

これで、ゲージツ的な「絵」が作れるかは別の話ですが、仕事上(写真を撮ること自体が仕事ではありません。仕事に使うための写真を撮るのです。念のため)、ある場所の状況をたった1枚の写真で他人に説明できるというのは、他には得がたいツールといえます。

さっそく、発売元に、このソフトが必要な事情を説明して、試用モードの解除キーを発行していただいた(料金は破格といってよい2,000円)のはいうまでもありません。

本格テストは…

2014年4月5日、東京・世田谷区の北沢川緑道で行われた、「北沢川文化遺産保存の会」恒例の「文化地図(アートマップ)」配布のイベント

Sakura_org

満開の桜の枝が、後ろから前方に向かって、体に圧し掛かるように延びているような絵にしてみたかったのですが…

Sakura_cnv
*こちらも「レベル調整」済み

カメラをもう少し上に振れば、多分、イメージ通りの絵になりそうなことがわかったので、まずは大成功といえます。

これで…

これまで、30年近くお蔵入りのレンズ*3を「実用化」する目処が立ったわけで、今後、どのようなシテュエーションで使えるか、いろいろ思案している今日この頃です。

*3 実は、このレンズ、手持ちのFDレンズ中、発売時価格でも、実際の(中古)購入価格でも
  
最高額なのです。使わなければモッタイナイ。

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